で、「負け犬」ってのは、恐らく酒井順子氏の著書「負け犬の遠吠え」からなぞらえたのだと思います。狭義には、未婚・子ナシ・三十代以上の女性のことを示しますが、悲壮感というよりも、その生活を最大限に楽しんでいるという感じかな、と認識しています。でも、元記事からは悲壮感がありますから、この定義ではないのかも。“負け犬世代”だから、三十代以上という部分を取り出せばいいのかな。
この中で非常にビックリしたのは、「男に期待しすぎた」ってところですね。期待されてたんだぁ、と。それはそれで、非常に光栄な話です。で、どこに期待していたのかといえば、年収の部分らしいです。愛が生まれない理由が、年収という数値で表されるスペックでしか語られていないのは、ちょっと残念です。男性は女性に認められるために、仕事を頑張っているのではないでしょうし。
でも、この文章中で一番ツッコミを入れたいのは、以下の部分。
例えば女性たちが、話題のシェフが腕を振るう最新のフレンチレストランで「やっぱり生のトリュフが食べられる季節は逃せないわ」などと言っている時、シングル男性たちはマンガ雑誌を片手に牛丼を食べているのかもしれない。
恐らく、シングル男性は牛丼のような下種(失礼!)なものを好み、シングル女性はトリュフのような高級なものを好むという印象を、著者は読者に与えたいのかもしれないです。私はトリュフをあまりよく知りませんが、牛丼の中にも美味しいものがありますし、嫌いではありません。でもこの部分って、わかりやすく印象づけるあまり、価値観の浅はかさを露呈しているように思えてならないのです。
世界3大珍味に数えられるトリュフは、調理方法にも気を遣う料理店も多いでしょうし、価格に見合った満足感が得られることでしょう。そういう意味では、牛丼よりも当たりを引く確率は高まります。でも、トリュフの数分の1の価格である牛丼でも、時にはそれ以上の満足感を得られる場合もあります。
つい前回まで、短波ラジオのDEGEN DE1103 愛好者3号を記事として扱っていました。たかが9,800円のラジオです。それこそ遠くの放送局を聴取しようと思って、お金に糸目をつけなければ、DE1103なんかよりも、もっと素晴らしいシステムを構築すればいいのです。たとえば、JRCのNRD-545に巨大な外部アンテナを取り付ければ、もっと完璧なシステムになるでしょう。ただ、受信機だけで198,000円しますけど(汗)。いうまでもなく、NRD-545には他の機種の足元にも及ばない、非常に良い部分がありますから、NRD-545を否定しているわけではありません。
たかが9,800円のラジオが人気になる理由は、価格の割に美味しいラジオであるほかにも、手に取った人が何らかの付加価値を見いだしたからで、それこそ最高の牛丼を見つけるに等しい行動だと思うのです。価格やブランドで判断して行動するのと、「良いものは良い」と自分で価値の判断が出来るのと、どちらが人間的な深みが出るかは、推して知るべしかと。高いお金をかけて、美味しいのが当たり前なトリュフを食べ、男性を年収というスペックでしか判断しない生き方は否定しませんが、なんだか人生の美味しい部分を損しているような気がします。
でもまぁ、負け犬の自分がこんな文章を書いていては、信憑性のかけらもありませんが(汗)。困ったものです。
揚げ足取りか否かも大事ですけど、ここで取り上げられている文章って、単純に牛丼屋さんがかわいそうですよね。
個人的には、牛丼屋さんを応援したいです。
TECSUN PL-350 おかげさまで使っています。なのに、DE1103を買おうとしています。これからもよろしくお願いします。
古いエントリーですが、共感していただいて何よりです。
今後ともよろしくお願いします。