そもそもHi-MDというのは、2004年にSONYが音楽MDの拡張規格として世に送り出しました。Hi-MDの最も特徴的な部分は、収録できるデータの多さです。1GBタイプのディスクを使う場合、通常の80分用MDと比べて、約3.3倍の容量を収録できます。その容量は約964MB。mp3ファイルをHi-MDに入れるとすると、その曲の数は数百曲にも及びます。
早速Hi-MDのディスクを買い求めるために、電器店へ行きました。残念ながら陳列されている数はそれほど多くないのですが、他のMDディスクと比べて明らかに高価なディスクですから、すぐに見つかります。1GBタイプをSony Styleで購入すると、1枚あたり714円(税込)となります。

Hi-MD専用ディスクの外側のサイズは、普通のMDと変わりありません。価格が違う点を除けば、普通のMDと間違えてしまうかもしれません。プラスチックのカートリッジに、2.5インチのディスクが入っているところまで一緒です。
いいことだらけのHi-MDですが、実はHi-MDに対応していないMDプレーヤーに使うことは出来ません。当たり前と言えば当たり前のお話です。従来のMDプレーヤーにHi-MDディスクを入れてみたら、ディスクエラーになってしまいました。
私が持っているMDプレーヤーでHi-MDに対応しているものは、今回のMZ-RH1しかありません。他のMDプレーヤーで使えないとなると、何となく魅力半減という感じです。これからもっと私が、Mi-MD対応のMDプレーヤーを購入していけば良いのでしょうから、SONYをはじめ各メーカーは、魅力的な機器を発表して欲しいなと思っています。
もうひとつ面白いのは、Hi-MDディスクをパソコンのストレージに使うことが出来るところです。つまり、大容量なフロッピーディスクと同じように、パソコンで使ういろいろなファイルを保存・読み出しすることが出来るのです。

そういえばかつて、MD DATAという規格がありました。同じようにパソコンに接続して使う機器で、140MBのデータを扱うことが出来ました。ただし、ディスクは専用のものを使わなければならず、さらに読み書きが遅かったために、あまり普及せずに終わってしまいました。
今回のHi-MDは、そんなMD DATAの不満点を解消すべく、音楽用と共通のディスクを使った規格となっていますので、普及してくれるといいなと思うのですが、既に可搬型ストレージとしてUSBメモリが幅をきかせていることと、個人情報保護等のルールの厳格化のため、普及の道は厳しそうです。