1.9MHz帯では、F1D電波が占有周波数帯幅の許容量を超えてしまいます。
一見すると何が問題なのか、そしてどうすればいいのか全くわかりません。これを紐解いていくには、1.9MHz帯で認められている電波形式や許される条件を確認する必要があります。
1.9MHz帯は、AM放送で使われている周波数のちょっと上あたり、カテゴリとしては中波にあたります。2009年3月に長波の135kHz帯が認められるまでは、アマチュア無線で扱えるもっとも低い周波数だったため、「トップバンド」なんていう別名がありました。
使える具体的な周波数は、1810〜1825kHzと1907.5〜1912.5kHzです。1810〜1825kHzは、電信でしか使えませんが、1907.5〜1912.5kHzは、電信の他に狭帯域データ通信にも使えます。今回の問題は、この狭帯域データ通信の部分となります。
1.9MHz帯で狭帯域データ通信をするには条件がありまして、占有周波数帯域が100Hz以下である必要があります。今回のTSSの指摘は、この部分となります。つまり、付属装置をつけて1.9MHz帯でパケット通信をすると、占有周波数帯域が100Hzを超えるというお話なのです。
電波にデータを乗っける場合に、どれだけの電波の幅を使用するかという問題ですが、これとは別に「最大周波数偏移」というのがあります。データを乗っけた場合の最も低い音と最も高い音の幅のことをいうのですが、これがF1Dの電波形式だと100Hz以下です。私の場合は、これを占有周波数帯域と間違えたのが原因です。
占有周波数帯域を調べるには、搬送波からカウントしていく必要があって、パケット通信の場合は、1,700Hzとなります。ひょっとしたら間違っているかもしれませんが、私の理解として図に書くと、こんな風になるかなと思っています。
それで私はどうしたかというと、1.9MHz帯の狭帯域データ通信を諦めました。現状では1.9MHzで狭帯域データ通信をするには、PSK31のような方式に限られるようですが、今のところそれを実行できる設備を持ち合わせていません。そんなわけで、1.9MHz帯は電信のみの申請に切り替えることにしました。
これで3つ全ての質問に答えることができました。それらをまとめてTSSへFAXで返し、おとなしくその結果を待つことにします。