私が長年使っていた自家用車が、当て逃げに遭いました。夜の暗いうちにあちこち寄ったので、どこで当て逃げに遭ったかわからず、結局犯人もわかるはずもなく悔しい思いをしました。
当てられた車の傷とそれに費やす時間を考えると、修理に最低でも1週間程度は必要と考えて、車を使わないであろう期間を作った上でディーラーへ持って行きました。もう心の中では、十万円以上の修理費が必要だと覚悟していました。
ところがそのディーラーでは、車の傷をじっくり見てから「磨くことで大半の傷が消えるかもしれない」という話になり、実際に丁寧に磨いていただいたら、押された部分のへこみ以外は、綺麗に傷が消えてしまいました。へこみ部分を我慢すれば、修理に大金が必要なくなるわけです。
これで話はメデタシメデタシですが、これを自分の仕事に当てはめて考えた場合、果たしてこの対応は正解だったのかと思いました。つまり、修理に大金を払うつもりで訪れた顧客に対して、みすみすその機会を自分で逃すような行動は、ディーラーとして正解なのかと考えたのです。
たとえば、その車が購入直後だったり保険に入ってたりした場合、ディーラーの機転としてうまく修理するというケースは、ひょっとしたらアリなのかもしれません。しかし今回のケースでは、該当の車は9年超使用しているため、これには当たりません。
ならば、次の車を購入する機会を作るために、わざと修理費を払わなくてもよくしたことも考えられます。しかし私の場合は、このディーラーの他に、別のメーカーのディーラーとのつきあいが続いており、そのことは知っているはずです。修理費がかからなくなったからといって、そこで再び車を買うとは限らないのです。
たしかに車検や点検などを、律儀にそのディーラーでお願いしていますので、他のユーザーに比べると多少はお金を落としているかもしれませんが、所詮は個人ですのでたかが知れていますし、私がへそを曲げたからといって、売上に直ちに影響するとは、とても考えられません。
つまり、ディーラーが一肌脱いだからといって、それほど得をするわけではありません。そもそも大金を払うつもりでいたので、その流れに乗ってしまえば、これといって労力の必要なく、その売上を手に入れることができました。
私がいるコンピュータの業界も、かつてはそういう風潮がありました。コンピュータが高額ということもありましたが、利益もかなり得ることができた時代でもありましたので、サービスで修理してしまうこともアリだったのです。しかし、コンピューターも低価格化の波にのまれ競争も激しくなり、そういうことができなくなってきました。
それでも長いおつきあいの中で断れないこともありますし、軽微なこともありますので、今回のディーラーのような対応をすることもありました。ですが最近は、無料で対応することに対して、会社の目を盗んで実施することも難しくなりましたので、その場その場で適切な費用をいただいています。
もちろん、適切な時期に適切な報酬を受け取ることは、世間に対して全く恥じることではありませんし、世の中には無料で対応できそうなことと対応できないことがありますから、全てを杓子定規に比べることはできませんが、今回のディーラーの対応と自分の仕事上の対応を比べて、なんだか釈然としないモヤモヤとしたものを感じるわけです。
どちらにしても今の自分には、前述のように無料で対応する選択肢は選べませんから、「そんなことは考えない」という選択が正解なのかもしれませんが、せっかくの休日、なんだか仕事のやり方が頭から離れない、どうしようもない休日を送ってしまいました。
2010年10月10日
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営業方法はグレーゾーンがあるのは
どの業界も同じですね