その中でも朝日ニュースターの「愛川欽也パックインジャーナル」は、注意してみている部類に入るかと思います。この番組は私が知っている番組の中で思想が最も左に寄っていて、最近の北朝鮮からの攻撃についても、「そうさせた日米韓に問題がある」といった論調です。
同日の記録を見つけたので、それを参照いただければと思いますが、終始こんな調子なので、信用して番組を見るわけにはいきませんが、その中で政治色が多少薄い話題を少し扱っておりました。2010年11月30日の朝日新聞文化面にある、放送用ワイヤレスマイクの周波数移動の件です。

ワイヤレスマイクのうち、免許申請が必要な「特定ラジオマイクの陸上移動局」として使用する770〜806MHzがその対象となるのですが、周波数が変われば挙動も変わり、今まで培ったノウハウが無駄になることを批判している記事です。朝日新聞は、時々こういう他と違った着眼点の記事を発表するので、なかなか侮れません。
記事そのものは、劇場などで使用しているワイヤレスマイクの周波数が変わることで、文化を蔑ろにしているといった論調ですが、どうやら問題の本質は、同じ周波数を共用しているFPUのようです。FPUは、放送中継用で使用している周波数で、池田信夫氏の記事によれば「FPUに36MHzも占拠しながら使っていない」のだそうで、文化を盾に必死の抵抗というようにも見えます。
周波数再編の話題は、当ブログでは以前にPLCの話題の一部として出しました。主にアマチュア無線用の周波数が争点となりましたが、影響範囲は短波帯全体に及び、海外からの貴重な情報源が断たれる危険性があったわけです。ところがマスコミは大きく扱いませんでしたが、同じような周波数再編がマスコミで起これば、こんな風に大騒ぎという感じです。
FPUの周波数移動で放送局側にコストが発生するのは理解できますが、逆に地上デジタル放送で一般人がテレビ買い換えとして払わされているコストを、どう考えているのか気になります。どちらも周波数再編の影響で払わされたコストですが、あまりにも反応が違いすぎると感じるのは気のせいでしょうか。
先の池田信夫氏の記事によれば、
ワイヤレスマイクにはA型とB型があり、周波数が再編されてもB型は使えます(性能はほとんど変わらない)。A型マイクも、劇場で使われている多くの輸入マイクはホワイトスペースを使っているので移行は容易であり、1000億円という移行費用も誇大で「ごね得」です。輸入マイクはもぐり(電波法違反)なので、彼らはその実態を記者に話さなかったのでしょう。
とのことです。どこまで本当かはわかりませんが、朝日新聞の「文化を蔑ろにしている」という論調は、なんだかオーバーな感じがしてなりません。