
世の中には「買ったら負け」な商品も少なからず存在すると思いますが、今回紹介する本は、まさにその代表に推薦しても差し支えないかもしれません。のっけから厳しい言葉の出だしですが、いろんな意味で「やられた」と思わされた一冊です。
もともと最初にこの本を見かけたのは、名古屋市内のコンビニでした。待ち合わせの時間をつぶしていたときだったので、タイトルと表紙のアンバランスさだけで選んだ一冊ですが、これが中身も物議を醸し出しそうな感じでした。
「健康オタク」なんていう言葉があるほどですから、健康に対する思い入れが非常に大きい人たちは、ある一定程度いらっしゃるのは間違いないでしょう。それが時には、納豆を買い占めるに至ったりするので、そのエネルギーたるや相当なものだと思います。
この「それって不健康な習慣かも?」についても、それらの健康バラエティー番組と同類といっても差し支えないかもしれません。実際にまえがきにも、「実は本書も、その”お手軽情報”を提供する媒体の一つです」とあります。
参考資料には、割と雑誌からの引用が多めなので、正確さよりもセンセーショナルさが優先されているかもしれません。実際にこの本に書かれている内容が正確なのか否かは、専門家ではない私には判断できません。
ただし、「○○をする傾向の人は、××なので気をつけよう」という論調ならまだいいのですが、少々ステレオタイプな論調も混じっています。たとえば以下のような文章は、その代表格かと思います。

詳しい文章は実際に見ていただくとして、この本によると、「アイドル(AKB48等)、アニメ、マンガ、ゲーム、プラモデル、鉄道、無線・・・のオタクは、健康に無頓着なために生活習慣病(メタボ)の予備軍で、非オシャレなためにコミュニケーション能力が劣る」のだそうです。「無線」をひとつのカテゴリとしてブログを書いている私としては、聞き捨てならない文章です。
つまり、オタク歴が長いほどジャンクフードや運動不足になりやすいのだそうで、そこには論理的な関連性は皆無なのですが、逆にオタクを蔑むような目的しか感じず、単に喧嘩を売っているようにしか思えないわけです。オタクとメタボの関連を証明するなら、統計資料のひとつでも持ってくるべきです。
かつては無線もオタクな趣味のひとつではありましたが、メジャーな部分はパソコンやアニメなどに持っていかれたので、さすがに今さら無線がオタクだと言われることは無くなりましたが、まだ無線の趣味を忘れていない人たちがいるという面においては、少し有り難い気もしました。