ICOM IC-9100Mに限ったことではありませんが、少なくとも現行の無線機は、昔に比べると格段にコンピュータ化が進んでいます。たとえばIC-9100Mのカタログを見ても、「32ビット浮動小数点DSP採用」などと書かれていますが、少なくとも送受信の信号処理がコンピュータ化されているのは、今では珍しくなくなったようです。
私の主観ですが、その中でもアイコムの無線機は特にコンピュータ化が進んでいるように見えます。信号の処理はおろか、設定変更などの各種のオペレーションに至るまで、コンピュータで制御されているのが感覚でよくわかります。
無線機のコンピュータ化がしばしば議論されますが、私はある程度は仕方がないと思っていますし、これも世の中の流れではないかと思っています。
カタログを確認すると、「変復調、IFフィルター、ツインPBT、マニュアルノッチ、スピーチコンプレッサー、RTTY用デモジュレーター&デコーダー等をデジタル処理する」と書かれています。雰囲気としては、無線機に入ってきた信号を増幅した後の変調の部分と音声処理の大半をコンピュータ化しているように感じます。
昔の無線機の場合、これをいろいろなフィルタ等電子部品を使って実現していたわけですが、まず調整が難しいですし、放っておいても設定がズレていくものなので、同じ性能を維持するのは思ったよりも大変です。なによりも機能を追加する度に、無線機が大きくなります。この辺りがコンピュータ化されいると、設定を入力することが基本になりますから、調整が必要になる場所が限られてきますし、無線機が小さくできますので、かなり楽になるのではと思っています。
強く入ってくる信号の谷間で聞こえる弱い無線局をピックアップするのに、フィルターを使って目的の信号のみを取り出すことをやりますが、昔の無線機の場合は、目的に合ったフィルターを用意したりと事前準備が大変でしたが、この辺りがコンピュータ化されると、この作業を電子的に処理しますので、かなりお手軽な運用が可能です。
IC-9100Mの試聴会で話題にもなりましたが、変調の部分でもコンピュータ化が進んでいるようで、カタログに書かれている変調方式も「数値演算型平衡変調」「数値演算型低電力変調」「数値演算型周波数変調」などと書かれています。変調をかける部分も回路を組むのではなく、コンピュータ上で処理してしまうという、考え方としては乱暴とも取れるやり方ですが、これも時代の流れでしょうし、恩恵を受ける部分も多いので、私としては歓迎です。
特にIC-9100Mを使い始めて、コンピュータで動いているような雰囲気が丸わかりなので、昔からアマチュア無線に親しんでいる方は、多少違和感があるかもしれません。かわりに数々の恩恵の部分もありますので、後のエントリーで順次ふれていきたいと思います。
2011年09月04日
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